Windows10Mobile版Onenoteレビュー


マイクロソフト謹製隠れ地雷が今、作業するユーザーの足元で爆発する!

評価:★☆☆☆☆

マイクロソフト謹製ノートアプリ、Onenote。
マイクロソフトアカウントさえあれば無料で使える便利なノートアプリだったはずが、実際の原稿作業にはとんだ隠れ地雷アプリであると言わざるを得ない。

機能はいいのだ、機能は。
編集中のページから簡単に新しいページ(ノート)を作れるし、ノートとノートの間にリンクを貼るのも簡単だし。

問題はそれ以外のところ、ぶっちゃけOS自体のレベルの問題に発展してしまうのでどうしようもないんだけど。

Onenoteのいいところ

  • マイクロソフトアカウントさえあれば全ての機能が無料で使える
  • OSを問わず使える
  • 作業中のページから関連ページを簡単に新規作成できる

まず一点目、アカウントさえあれば全ての機能が無料で使える、という点。
実際のところ完全に無料というと語弊があって、ちょっと追加での説明が必要になる。

Onenoteを使うには別途Onedriveという、マイクロソフトが提供しているDropboxとかGoogle Driveみたいなオンラインストレージを使う必要がある。
これ自体はマイクロソフトアカウントを取れば容量5GBが無料で使える。
名刺をスキャンしたものだとかネット上の記事をバンバン保存するとかいう使い方をしていない人でテキスト原稿だけをベタ打ちするんであれば、無料で十分事足りるレベルの容量。
もちろんOnedriveにはオフィスソフト/アプリで作ったファイルを保存したりもできるので、人によっては他のデータが入っているということもあるかもしれないけれども、それでも十分使える。

無料版だと60MB/月までのアップデート(保存)容量制限がかかるようになったEvernoteの移転先に推す人が多かったのも、この月間アップデート量の制限がなかったのが一因かも。
容量が5GBで足りない場合は月170円で50GBに増やすこともできるし。

次にOSを問わず使える点。
PCなら現在サポートされているならWindowsのバージョンを問わず、Macでも利用可。
スマホならiOS、android、Windows10mobileのいずれでも利用が可能。
無料でも台数制限がないので、例えばデスクトップで書いたノートを出先のスマホでちょこちょこ編集、なんてことも出来る。
変わった端末があるとつい買っちゃいたくなる、端末が増えがち、という人にはこれも便利。

最後に作業中のページから簡単に新しいページが作れる機能。
Wikiの編集なんかをしたことがある人にはわかりやすいと思うのだけれども、

[新しいページ]

こんな感じで [ ] でくくってページのタイトルを打つと、新しいページが作られてそこへのリンクが貼られる。
これが地味に便利な機能で、例えば

今ものすごい筆がノってる!
ちょっとタップして/マウス動かして新しいページ作る作業するのもまだるっこしい!
ああでも後で書くの忘れないようにページだけ作っときたい!
関連ページとしてリンクも貼っておきたい!
ええい私が千手観音だったなら――――――!

みたいなまさに脳みそがつんのめる勢いでぶっこんでいっている状態のときなど非常に重宝する機能。

ちょちょいと文中に

[こういうネタ]
[関連項目]

とでも打っておけば、あとで見返しているときなんかに

「おっ、そうだった」

みたいな感じで思い出せる。
何を書こうとしていたのか思い出せない時もあるけれどもその時はそのときということで。
原稿の筆が乗っているときの書き手なんてそんなもん。

Onenoteの悪いところ

そんな便利なOnenote、マイクロソフトの自社OSを搭載したスマホならさぞや快適に原稿生活をサポートしてもらえると思ってしまいそうだが

んなこたあない(タモリみたいな顔)

そもそもWindows10mobile(8.1のモバイル版は日本語版でも使用できるのが中華フォントだけというクソ加減なのでないものとする)自体が未完成OSみたいなところがあるのはもはや言うまでもないのだが、PC版と似たような使い勝手を想定するとがっくりくること請け合いである。

  • 動作が不安定/重い
  • バグで使えなくなった時の回避手段がない
  • 使わない場合でもアンインストール不能

動作が不安定、重いという点。
まずそもそもの問題として起動・同期が遅い。
10p越えのノートになると安定したWifi環境下でも同期が全く進まない。
なので複数端末から大量にノートを追加している場合、新しい端末を追加すると即座に作業を進めるということはできない。
一応『最近追加したページ』から直近のページを開いたり、ページの追加自体は出来る。

不安定、という点について言えば、無料で提供しているアプリだからなのか、自分とこで作っているOS上で使うものにも関わらず、アップデートの際に致命的なバグが発生することがときどきある。
どういうバグかというと

  • 同期が完了と出ても同期が済んでないどころか何も同期されてない
  • 文字が全部文字化けして読めなくなる

今のところこの2点が大きい。
同期の問題については普段から重たいマイクロソフトアプリなので何をかいわんや、というところではあるけれども、それにしたって1時間たってもたかだか10pちょいのノートが同期できないとはどういうことなのか。

次に文字化けのバグ。
一体何をどういじったのか、全ての文字が文字化けして読めなくなる、というバグが発生したことがある。
ページを開くと

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

こんな感じで日本語部分が丸っと文字化けし、かろうじてアルファベット(半角)で入力した部分だけが元の形をとどめている状態。
こういうときはPCならばブラウザ版を開けば文字化けをしていない状態で本文を確認したり編集したりできるのに、Windows10スマホではそれもできない。
ブラウザ版のOnenoteにアクセスすると強制的にOnedriveのアプリが起動し、続いてOnenoteが起動。
文字化けして使い物にならないアプリ版の使用を強制するという……。

ならアプリを削除すればブラウザ版が使えるんじゃないかと思いきやそんなことはさせねえぜとばかりに

OnenoteとOnedriveはアンインストール不可

で、アイコンを長押ししても『スタート画面にピン止め』以外のコマンドが出てこない。
アンインストールなんかさせないよ!無理やりにでもシェアを伸ばすよ!というマイクロソフトのクソみたいな意志の固さを感じる。
iOSだって使わないならpages(マイクロソフトで言うWord)とかアンインストールできるっていうのに。

もうジャイアンのリサイタルと似たような状態。
自信満々にチケット(この場合はアプリ)を配って強制的に参加(使用)させるという。

そんなインストール強制アプリでありながら、バグが来た際の逃げ場もなけりゃあバグ後のアップデートも遅い。
正確に言えば、Windows10mobileのストアアプリはアップデートが来てもすぐダウンロードできるようになるわけではない。
ストアアプリと銘打ってこそいるものの、

アップデートが来る→一部のユーザーにアップデート通知が来る→さらに一部分のユーザーが通知を受け取る→さらに一部分の……

と、小分けにしてアップデートをダウンロードできるようにしているのである。
どういう風に分けているのかは不明。
何故分けているのかも不明。
だから『あるユーザーは3日前にアップデートが来たけど自分はまだバグったアプリの修正アップデートを受けられないし、おまけにバグも全然修正されていない』なんてことはザラ。
多分この辺が理由でソシャゲアプリ(特にイベントごとに追加データのダウンロードがあるタイプ)が来ないんだと思う。
『この日からこの日までイベントで、イベント限定のキャラがこの面子です!』みたいなことをやろうにも、その期間中にアップデートが来るかさえ定かではないわけで。

うっかり人柱情報をチェックせずにアップデートして文字が読めなくなっても前のバージョンに戻す手段もないので、もはや手の打ちようがないという有様。

ちなみに自分の場合、

  • Windows8.1(デスクトップパソコン)
  • Windows10(MADOSMA、AsusのT90chi)
  • iOS端末
  • Androidタブレット

の4つを所持していて、原稿の最終仕上げはWindows8.1のデスクトップPC。
少なくともデスクトップとスマホ/T90chi間でデータをやりとりできるソフトの数少ない候補として原稿用にOnenoteを使っていたところ文字化けバグ位に見舞われ、危うく原稿を落としかけた

うちが新刊出さないと自カプの薄い本は一冊もないなんてザラなんですよ!!
という読み専&レイヤー&グッズサークルの多い所に生息しているもので、こんな致命傷ドストライクのエラーを起こしリカバー手段もないアプリはちょっと原稿用には使えない。

無料で全機能が使える(と銘打っている)点、大抵の環境で使える(はず)、文字の入力自体はスムーズに行くなどの利点を考えても、使い勝手が悪すぎて★一つしか付けられない。

自社製アプリがこのざまの状態で「Windows10スマホはビジネスに最適!」とか言っているマイクロソフトの担当者の方におかれましては、鼻からスパゲッティを食えるようになってから出直せと言いたい。